ブログのタイトルにもしているのにろくに買い下がりについて記載していなかった。

私はまだまだ新参者であるので、今後変わり得るかもしれないがあくまでも現状での私の考え方を記しておこうと思う。

相場格言にも「二度に買うべし、二度に売るべし」という言葉があるが、分割売買は基本中の基本だと私は思っている。特に私のように「売ったら上がる」「買ったら下がる」という得意技を有する逆神にとって、分割売買はメシアのような存在である。今日も昨日半分売ったマンダムがコーセーの格上げ連動で上昇してしまったが、半分は残っているのでまだ納得がいく(涙目)。

さて、買い下がり、或いは売却時には売り上がりをするのが私の基本的な売買なのだが、具体的には、いわゆるピラミッディングのように行う。買いのスタート地点については、月足底値圏、あるいはファンダで過去10年最安PBRなどを選ぶが、最近は殆どこのような株はないので1~2割上からスタートすることも多い。

スタート地点で本来買いたい数量、あるいは最終的にここまでなら増やしても良いと思う株数の数分の1の数で打診買いすることが多い。そこから1割下げるたびに買い増ししていくような形である。実際にはその間、例えば5%下げたところにも間の買い増し指値を入れておくが、まとめるとおおよそ、スタートで500、1割下げたところで1000追加、2割下げたところで1500追加(=合計3000株)といった形(この場合数量比は1,2,3であるが、1,1,2という数量比もよく使う)をイメージして最初から予定を組む。2割下げたラインというのは、指数が暴落してやっと届くかどうかというレベルがベストで、PBRでいえば10年最安ライン以下が望ましい。

買い下がりというと無限ナンピンではないかという人がいるが、まあ間違ってはいないが私は基本的に2割下げまでが買い下がりの基本ラインだと思っていて、これより下げた場合はエントリーが甘かったとしていったん買い下がりはやめる。そこで損切りして他銘柄に乗り換えることもあれば、さらに下がるのを待って買い増しすることもあるが、いずれにせよ指数が大暴落したとき以外で2割下げ以上を喰らうのは、それはもはや買い下がりではないただの失敗だと思っている。

元々買い下がりというのは、ベストな手法ではなくベターな手法だと思っている。大底を言い当てられる凄腕であれば、大底で全数量を一括買いすればいいだけである。私にはそのような能力がなく、大底と思しきラインで待っていてもいつもその手前で反発され逃してしまうので、やや甘いとは思うが許容範囲ギリギリのところでとりあえず打診買いをするのである。そのまま上がれば数量は少ないが利益の足しにはなる。下がれば予定通り買い増しをすればよい。

ナンピンと買い下がりの違いとは、よく他サイトにも記載してあるが計画性の有無だと思っている。最初に欲しいだけの数量を買ってしまい、下がったからといってやむを得ず(買いたくもないのに)数量を増やす、これがナンピンだと思う。保有銘柄が下がるを見て、喜んでいるのが買い下がり、悲しんでいるのがナンピンである。

さて、そうは言っても2割以上下がってしまうと失敗トレードになる。リーマンショックやコロナショックのような指数が暴落する際に巻き込まれるのはある程度やむを得ないと思うが、そうでないときに2割以上下がると言うとよほど悪材料が出たということがほとんどだろう。もともと月足底値圏、過去最低に近いPBRでエントリーしていれば、そこから更に2割以上下げると言うのはそう簡単ではない。

決算で赤字を連発してきた場合等が多いのではないかと思うが、このような場合は私も損切りをする。今はよほど財務が良い、セクター全体が受難であり同一セクター内の他銘柄も似たような場合以外は、赤字連発のところには手を出さないようにしている。好調セクターの中の赤字連発負け組銘柄は、財務が良くてもやはり問題アリであり、過去に私もいくつか手を出したことがあったが素直に失敗を認め損切りをしている。

逆に、何らかの需給によって大きく下げ2割下げラインを超えてきたとしても、確かにそれはエントリーポイントは良くなかったかもしれないが会社の業績、財務面に大きな問題が無いのであれば基本的に損切りはしない。

損切りを勧める人やメディアは多いが、私は赤字連発などよほどの業績の悪化以外では基本的に損切りをする必要はないと感じている。理由は

①既に相当な割安圏まで下げている銘柄を買っているのであって、そこからさらに下げたとしても自律反発する可能性が高い。売るなら戻りを売るほうがましであること。

②扱うのがほとんどシクリカルバリュー系であるから底値で売って高値で買っていてはいくらお金があっても足りないこと。

③BPSを毀損しない程度の減益であれば、そもそもEPSの伸びなど期待していない割安バリュー株を狼狽売りする必要がないと考えること。

④損切りすることによってPFはスッキリするがマイナスからのスタートであることには変わらず、①の理由により保有株の自律反発のほうが新規銘柄の上昇より可能性が高いことが多いこと

⑤扱う銘柄がマザーズなどではなく比較的大型株が多いこと

以上である。特に④については強く感じている。相場環境が甘いここ数年の話だからと言われればそれまでだが、赤字銘柄以外で私が損切りした銘柄で後に上がらなかった銘柄は1つもなかった。考えても見ればもともと下げに下げた銘柄を買っているのだから当然と言えば当然ではないか。

さて、買い下がりに話を戻すと、買い下がる目安としては5%や10%下げればいくら足す、というのがベースではあるが、当然私も拙いテクニカル分析も駆使してMAなど節目節目で買い増しをしている。また、途中で枚数調整の戻り売りをすることもよくある。まあ、戻り売りをしたらそのまま上がってしまったなんてこともしょっちゅうではあるが、そういう時はお布施だと思って納得しておく。この場合も、すべてを戻り売りするのではなく半分とか1/3とかを売るだけなので、残りが寄与してくれるのでヨシとする。

こういった戻り売りをするとき、私は大抵予想確率に乗じた枚数を売るようにしている。即ち、このMAで落とされるだろうなと半々くらいの確率で感じているなら半分売る。8割方上がるとは思うがちょっと怪しいかも、という場合は2割売る。そんな感覚である。

戻り売りではなく通常の利確売りについては、買い下がりと全く逆、例えば1,2,3で売り上がる。売りのスタートラインについては、決算の内容次第なので一概には言えない。単なるリバウンドと見るときは月足MAを最終目標に売ることもあるし、業績がかなり良くなってきていると感じれば月足2σ位からスタートすることもある。指数との兼ね合いもあるし、他に良い銘柄が転がっているか否かにもよる。

さて当然のように、買い下がるにはある程度の余力が必要であり、常にフルポジではうまい具合に利確銘柄がコンスタントに出てこない限り買い下がりようがない。今は多くの人が何かに追われるようにフルポジになっているようだが、私にはそもそもこのフルポジというのがさほど効率が良い手法とは思えない。フルポジ派の人は現金を残すことを機会損失というが、では常にフルポジで暴落を全身で受け止め、なおかつせっかく安くなった時に買い増しができないという損失はなんと名付ければいいのだろうか?

リーマンショック~民主党政権時代の暗黒相場が来れば私も喜んでフルポジになるだろうが、少なくともここ10年近くの緩和相場で完全フルポジになりたいような相場は後から見返しても率直に言って、無い。私もフルポジになれば買い下がりは出来なくなるので、別の手法、おそらく配当をもらいただ待つだけに移行するだろうが、そのような暗黒相場が早く来ることを願ってやまない。

なお、今回の記事は例えば元手が非常に少ないケース、グロース株を扱うケース等では当然ながら全く機能しないことを申し添えておく。

 

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