先週末の投稿にも書いた通り、今週は米株が週足レンジ上限で反落するか、それとも上に抜けて最後の噴き上げに向かうかの極めて重要なポイントにあるが、今のところ、ダウ、SP500ともに日足でほぼバンドウォーク、このまま上がれば週足もレンジ上抜けのエクスパンドとなりそうな様相だ。
日経も今日は25日線を超えて一気に上仕掛けが入っている。値上がり・値下がり数だけ見れば全面高のショートスクイーズ状態だが、一方、個別、特に監視の割安バリューはかなり弱いものが多く自分のPFも指数の半分以下しか上げていない。特に食品株が最近やたらと弱いので指数に大幅アンダーであるが、まあやむを得ない。米株の週足RSIなどもダイバージェンス状態だが、これはどこも似たり寄ったりで一部の人気株だけで指数を上げ下げしている。
日経に関しては定期的に今日のような買戻しが入るが、一貫して強い欧米株をロングするヘッジとして海外勢が日本株に空売りを入れておりそれが定期的に踏まれるというダチョウ倶楽部並みのお決まりパターンは振り返れば今年春以降ずっと続いてきた。その大規模なものが9月の急騰だった。
買戻しパターンの日は一気に2%近く上げ、値下がり銘柄数が極端に少ない、後場にかけて全く下がらず売り方を締めあげる、すべてが共通しておりワンパターンなのですぐにわかる。こういう日は何もすることがない。置いて行かれる!と買いを入れずとも、次の指数が下げた日には弱いバリュー株は待っていてくれるどころか簡単に向こうから寄ってきてくれる。
最近は日経の個別との乖離も非常に激しくなってきた。今や日経とは半導体値がさと海運などバブル化した銘柄の指数であって、日経が上がるとむしろバリューのディフェンシブは下がることが多くなった。私のPFがそれを非常によく表している。そして日経が下げ始めると、今度は私のPFのような銘柄が上げだす。即ち、もはや資金が限られており、限られた資金が銘柄間を移動しているだけ。この指数位置から新規資金が流入してこないとは当然だしある意味賢明である。今は祭りが終わるのが惜しい貪欲な牛人間たちが無理やり踊り続けているだけのようだ。インディケーターを見るまでもなく、PFだけ見ていてもダイバージェンスを体感できる。そしてこれは、9月の急騰時から既に始まっていた。
ビットコインが新高値をとり、テスラも明確に上に抜けてきた。特にテスラは一時期はバブル崩壊のお手本のようなチャートとして紹介されていたこともあったが、実は月足MAで綺麗に耐えただけであった。PER1600倍を買っている人はアルダブラゾウガメよりも長生きするつもりなのだろう。私には縁のない話だが、ともあれ、こういった銘柄がまずは本当のピークを打つことが米株全体の大天井に至る必要条件だろう。
いずれにせよ、逆説的ではあるがこのまま米株が上に抜けてさっさと大天井を打ったほうが何かと好都合である。足元連続陽線がはなはだしいので一旦小休止はあろうが、SP500でいえば5000あたりまで一気に駆け上がれば、分かりやすいのではないだろうか。
私の戦略としてはただただ現状のPFのまま待つだけである。ここからのアップサイドとダウンサイド、日本株はともかく米株ではどちらが大きいかはサルでも分かるように思う。100歩譲って米株の長期上昇トレンドがこの後も続くとしても(いや、正確には続くと「したら」であるが)、1年以上タッチしていない12か月MAに早々タッチするのが自然であり、その時買えばいいだけである。無論そこからナイアガラかもしれないが、あえて乖離の激しい最高値で買うよりはマシであるのは言うまでもない。
そして日本株が米株に巻き込まれずに済んだことなど未だかつてない。対岸の火事のはずのリーマンショックは対岸の何倍もの被害を被った。それが日本株であり、シクリカルである。
ところで、シクリカルといえば、日経のPERを持ち出して15が14になったとか、欧米株と比べてこれだけ割安だと煽る証券会社やメディアも多いが、もはやお笑いでしかない。あれは初心者を騙そうとしているのだろうか?かくいう私も始めたての頃はまんまと騙されたのだが。日本株=シクリカルであり、これは低PERで売るのが大前提である。今よりももっと低いPERだった2018年、「PERが低いから安い」と買っていたらどれだけ儲かっただろうか?指数レベルで見ても回復はコロナバブルを待つ必要があったし、個別で見れば2018年高値を超えていないバリュー株は腐るほどある。