雪印メグの2Q決算、やはりコスト増が重くのしかかる

今日は主力のメグの2Q決算があった。結果的には2Q単体は今一つであり、1Q単体から比べると一株利益は2割以上減り、前年同期比でも6%ほど減っている。1Qは前年同期比でも絶対値でも素晴らしかったのに比べるとかなりペースダウンした感じだ。

原因は、決算資料をすべて読んだが簡単に言えば①原材料などのコスト高 ②主に乳製品で高利益率な家庭用商品の巣ごもり反動減 この2点のようである。セグメント別でみると、乳製品(バター、マーガリン、チーズ)が1Qに比べてダウン(ただし通期予想では想定内のペース)、飲料デザート(牛乳、ヨーグルトなどを含む)はなんとか横ばい、飼料・種苗も横ばい、といった形である。

ここから先は決算資料を見ながら読み進めて頂きたい。

まずは短信2ページ目。

①乳製品の項目であるが、このセグメントは1Qの短信では営業利益前年同期比は+9.2%だったのが、今回の2Q累計では同-3.7%と減少に転じている。理由として家庭用商品の反動減、原材料コスト増加と書かれており、これは他の資料からも読み取れる。

②飲料デザートの営業利益前年同期比は1Q短信の+105%から今回+26.3%に落ちているが、これは前年の1Qが給食停止などで極端に悪かったからであり、実際にはそこまで2Q単体が悪かったわけではない。

「決算補足説明資料」の2ページ目を見ると、営業利益の飲料デザートの項目、1Qが17億で2Q累計が34億となっておりペースとしては落ちていない。前年の1Qが8億と酷かったのが要因である。

ただし、通期のセグメント別予想ではこのセグメントは若干下方修正されている。(とはいえ前期比10億増益予想ではあるが)元々このセグメントは夏場に需要の多い商品が多いため、2Qまでで強めに出るのは想定内であり、逆から言うとこれでも想定よりは弱かったということだろう。この夏の気候が良くなかったことも言及されている。

さて短信に戻り、3ページ目。③飼料種苗は1Q短信で営業利益前年同期比+18%が今回+17.8%とほぼ変わらずで好調を維持している。飼料価格市況が上がっていることが要因のようだが、通期では基金負担金の発生が見込まれ横ばいのようだ(決算説明資料 財務数値編 7ページ目参照)。このセグメントは2Qで営業利益14億に対し通期予想は10億となっている。

その後のキャッシュフロー、BSは問題ないのでスルー。純資産も増えている。

6ページのPL。売上高は会計基準の変更で前年比下がっているように見えるが実際にはプラス圏である。

問題は売上総利益。今回の2Q累計は47,731百万円となっているが、1Q 24,747で2Q 22,984である。

売上は1Q 142,820に対し2Q 144,084であるから、粗利率は1Qの17%から2Q15.9%に減少、言い換えれば原価が上がっている。

販管費は1Q12.7%、2Q12%で抑制できている。結局、原材料コストの上昇と、あとは主に乳製品での家庭用商品(=業務用より高利益率か?)の減少が原価アップの主因と見える。

次に「決算補足説明資料」を見ていく。

1ページ目の売上高は会計基準の変更影響を考慮したものとなっており分かりやすい。前年比で一応プラス圏であることが分かる。一方、1Qの前年同期比営業利益増減率が+29.8%あったのが、今回2Q累計だと+10.1%まで下がっており、この辺りは今回の急落の背景として見られているだろう。2Q「累計」で見れば各種メディア記事のように会社予想を超える増益だが、2Q「単体」では1Qに比べかなりのダウン、前年の2Q単体比でもややダウン、というところが下げの要因だろう。元々1Qの決算が素晴らしかったので、期待が大きかったかもしれない。(ただ株価は前日から既に下げており、なぜ「織り込み済み」にならなかったかという疑問は残るが)

3ページ目、前回1Qでは今一つだった粉ミルクが改善しているのが分かる。国内向けが好調のようだ。

4ページ目、利益の増減要因だが、通期で原材料コスト-18億、固定経費、オペレーションコストなどのマイナス要因が大きいことが分かる。一方、販売単価、特に値上げした乳製品(マーガリン)のプラスはわずか4億であり、吸収しきれないことが分かる。この辺りもマイナスポイントだろう。

最後に決算説明資料、2種類あるが、大体書かれていることは似たり寄ったりなので割愛。

個人的にはインドネシアのチーズ事業などのアピールはもっと具体的な利益貢献度などを数字を載せた上でページを割いてしてほしかった。

MBP、ガセリなどの高付加価値商品は好調のようだがこの手の商品は腐るほど各社から出ており、いくら継続習慣性のある商品とは言え安泰とは限らない。商品のプロモーション力ははっきり言って明治などには劣ると思っているので改善を願いたい。

さて、最後に株価水準だが、勿論割安ではあるが例えばグリコなどを見ても年安から更に売られて反発もしないという地合いの為、とりあえず月足の-2σ、2020円前後までは普通に見ておくべきだろう。ファンダ的にかなり割安なので事件を起こさない限りは長期で見ておけばいずれ利が乗るとは思うが、なにしろ日経が3万近い中でこの株価である。昔に比べはるかに指数の影響力は強くなっており指数が下がれば無風とはいかないだろうし、やはり最悪はコロナ安値の1800割れまで見ておく必要があるか。結局のところ、指数がどうなるか、次第だと思う。

追記

当然ながら、通期予想を上方修正しなかったのもマイナスポイントだろう。1Qのペースだとかなりの上方修正の可能性が見えていたと思うが、今回の進捗率は61.8%(5年平均56.0%)という程度であり、元々1,2Qが強く3,4Qにペースダウンする企業特性と昨今のコスト高を見ると会社予想通りの着地もあり得るな、という話になってきたのだと思う。となると1Q決算前は元々2000円の攻防にまで持っていかれていたことを考えると、最悪その辺は見ておくべきなのか、という話になる。

 

 

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