日経3万目前、TOPIX2000台にして不人気バリュー株はコロナ安値割れを試すものが多くなってきた。

今週は指値だけしてほとんど放置しているのだが、今日はいくつか約定していた。本当にこんな指数の位置で買い増しなどしてよいのか、自分でも非常に不安になる。米株も3指数とも最高値圏で日足MACDはDCしており容易に5%やそこらは下げ得る。不人気バリューは先週の決算週から一貫して指数が上げても下げ、指数が下げれば猶更下げ、という状態が続いており、ここから日経が1割下げただけでリーマンショック時の安値に届くのでは、と言っても冗談が冗談にならないレベルになってきている。今日の年安銘柄の月足チャートはそんな感じのところばかりである。

前回の記事含め、私は今回のグロースとバリューとの乖離はITバブル期と酷似しており、指数の崩壊がバリューの底打ちにつながる可能性を考えてはいるものの、実際今日のように指数が1%ほど下げただけで不人気バリューは年安の嵐となる惨状では、「ホンマカイナ」状態であるのは言うまでもない。

実際のところ、私自身不人気バリューが指数崩壊とともに復活する可能性は高くても2~3割と考えている。以前は1~2割と見ていたが、最近のバリューの売り込みのきつさ、そしてインフレという外部環境を考慮するとやや確率は上がったと思うが、それでも可能性はさほど高くはないだろう。以下が理由である。

①ITバブル期に大底をつけて指数崩壊とともに上げ始めた銘柄の多くは、日経バブル期に天井を付け90年代一貫して下げ続けてきた銘柄に多く見られる。つまり、元々が年足レベルで見ても下げ続けてきたため指数に関係なく上がることが出来たと考えることが出来る。これに対し今のバリュー株は不人気含め殆どが2018年辺りにそれなりの上昇を見せている。不動産や食品など5~6年下げ続けてきているセクターもあるが、元々が割高に買われた後の下げ幅・期間としては弱い。

②現在はバリューの中でも指数採用の大型人気シクリカルは月足高値圏で値を保っているものが多すぎる。当時もすべての非ITバリュー株が指数に逆行安していたわけではなく、トヨタもホンダもLTCMショックからITバブル頂点まで指数通りに上げて倍ほどになっているのだが、全体的にやはり当時のほうが指数に逆行して売り込まれていたバリューが多かったように見える。それはやはり背景として90年代の10年にわたる下げ相場があるのではないだろうか。

③ITバブル崩壊はその後年単位での下げ相場につながるような長期的でやや緩やかな下げの形となった。バブルの中心ではなかった日経(なお、これは現在も同じだ)に関しては天井から3割下げるのに半年以上かかっている。コロナショックやリーマンショックはその倍以上のスピードで下げており、最近はこのような一過性の極端な下げがパターンとして多い。このような種の暴落では単純に指数先行で銘柄関係なしに換金されるわけで、程度の差こそあれ下げに巻き込まれるのは間違いない。中銀の緩和中毒のために、もはや長期的な「下げ相場」がなくなった分、調整はより短く、激しくなっているように感じられる。

ということでやはり指数の暴落が来れば巻き添えは免れないと考えるのが自然だろう。ただ数か月前にもあったが、指数が数パーセント下げるようなただの調整に関してはディフェンシブやバリューが逆行する可能性はもちろんある。そしてすべてが売られる「短く激しい」暴落自体が、もはやこの金利環境と中銀の姿勢の下そもそも来るのかという問題もあり、結局のところ今後の調整直面が「長く緩やか」になればなるほど不人気バリューの逆行の可能性は高まるという関係性になると思う。これは半導体の下げをバリューが吸収するような結果としての緩やかな指数の下落という形の体現でしかないだろう。

 

 

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