今日も指数は上がるも食品株は下がりPFはマイナスであった。指数が上がっても下がっても下がり続けるのだから、もはやお手上げである。ここまで来ると、おそらく多くの人が一旦損切りをするレベルなのだろう。それがまた、下げを呼んでいるようにも見える。
私はかねてからITバブル期のバリュー株逆行現象について可能性は低いながらも再来はあるのではないかと書いてきたが、まあ毎日この有様だと心も折れるというものだ。
ちなみにITバブルは2000年4月に日経天井を付けたが、逆行安していたバリュー株は大体数か月前に大底を付けてその後は横ばい~徐々に上昇、指数が崩れた4~5月は横ばいで耐え、指数が少しリバウンドした6月に大幅上昇、という形が比較的多かった。もし来年の春に指数が天井を付けるなら、逆行安バリューはそろそろ底に近づいていてもおかしくないのだが、果たして…。
現在の半導体・グロースと不人気バリューとの乖離はおそらくリーマンショック後では最大だと思われる。2018年あたりはもう少しバリューも全体的に高かった。今の特徴はコロナショックで一段安になってそのままレンジが切り下がってしまったままの不人気株が多いところが特徴だと思う。
私自身ITバブル期は株など全くやってもおらずそもそも興味もなかったので、当時の相場がどのようなものだったのかは全て後追いの記事やチャートによる探索でしか知り得ない。しかし如何せんネット黎明期の当時の記事はあまり多くない。今もてはやされているトレーダーも多くはリーマンショック後に相場の波に乗った人たちがほとんどで、ITバブル期を経験してきた人は少ないだろう。
更に今はインフレがリスク要因というここ30,40年無かったような状況でもあり、さらにさかのぼって70年代の相場をも知る必要があるがこうなるとリアルタイムで経験した人はほぼほぼベテラントレーダーでも少ないだろう。
常に相場は新しく、過去と同一の局面などないとは言えども、今現在の相場はあらゆる面で非常に難解であるように見え、その末路も今までのセオリーが通用するかどうかはかなり懐疑的とみている。
とりわけ現在の特殊な点は
・ITバブル以来のグロースとのバリューの乖離
・過去最低レベルの金利と過去最高レベルの債務残高
・70-80年代以来のコストプッシュインフレ懸念
この3つに集約できると思うが、更にパッシブファンド全盛であることなども加えられるかもしれない。
いずれにせよ個々のパーツを見れば過去の局面との類似性を見いだせても、トータルで見るとやはり違いが浮かびあがる。
となると今回のバブルの崩れ方も、必ずしも過去と同じパターンとは限らないようにも思える。思えばコロナショックの際には多くの人がリーマンショックパターンを主張していたが終わってみればLTCMショックパターンになりバブルのスタートラインとなってしまった。となると今回のコロナバブルもITバブルパターンと考えてしまうわけだが、中銀の緩和中毒により年々調整が短期間化していく中で、本当に当時のような年を跨ぐ下落相場が続くのかという疑念もある。私を含めキャッシュポジが多い人にとっては、「暴落が来る恐怖」と同じくらいに実は「暴落が来ない恐怖」というのもあるわけだ。
ともあれ、結果はそう遠くないうちに出てきそうだ。来年は怖くもあり楽しみでもある。来年に期待だ。