もはやグロースと半導体以外は株ではないらしい。
日経は先物の800円安から朝一の段階で400円安程度まで戻したうえ、前場にはプラ転しているというのでさすがバリューが耐えたのだなと見てみるとバリューは指数以上に下げ上げているのは半導体や海運といったいつものバブル銘柄であった。
「言い訳」としては、変異株による景気減速懸念からのバリュー・シクリカル売り、それに対し利上げ後退、資源安からの金利低下、および巣ごもりでグロース・半導体買いというらしい。
つい最近までは利上げ懸念で金利が上がっても構わず高PERの半導体は買われていたがどう説明してくれるのだろうか?
ともあれ、シクリカルは状況がどう転んでも下がる、というか下げたいようだ。
変異株→景気減速→シクリカル売り
変異株ネタ終了→再度インフレ懸念→コストプッシュ→シクリカル売り
まあここまでは分からなくもないが、コロナ初期にグロースや半導体とともに買われた食品、日用品はでは逆行高していたかというと、普通に下げていた。確かに相対的には耐えていたが、メグなどは指数程度に下げていたし監視株を見る限り逆行高は永谷園くらいだった。それもおそらくデッドキャットだろうので私は撤退したが。
ディフェンシブ系についてみれば、既に相当売り込まれた上に塞翁が馬的に足元は円高・資源安となっており、指数にアウトパフォームするなら今しかないという状況になってきている。仮にコロナ再拡大となりコロナ相場2回戦となればなおさら食品、日用品が買われるべきとなるはずだが、とりあえず来週の反応を見極めたい。
と書いたが、完全に期待外れとなっている。どうも都合よく食品株にだけはインフレ懸念が残っているようだ。本当にインフレ懸念が残っているのならグロースなんか買うなよと言いたくなるが(苦笑)。
そして酷かったのは後場の入国禁止ネタからのアフコロ大暴落である。「勝ち組」のHISなどが大きく下がるのは理解できる。それでもまだ月足では上昇トレンドライン下限程度だ。
一方、直近下げ続けてきた私鉄系電鉄が5~8%下げているのには驚いた。かくいう私の保有株もアフコロ枠のマンダムが被弾し、いったい何日連続で下げ続けているのか数える気にもならないレベルになった。
負け組アフコロのチャートはもはや民主党政権時代に逆戻りは当たり前になりつつある。リーマンショック安値も超えているような銘柄も出てきている。それはシクリカルバリューの負け組にも言えることで、PBR面では民主党時代を割っているものも多い。
今月の第二週、決算以降3週間にわたり一貫して下げ続けているバリューが極めて多い。今日は東1だけで500を超える新安値が出た。コロナショック以降最大で、今年の今までの記録の2倍だ。騰落レシオは73台。一方、それでも日経は28000すら割っていない。この調子だと日経が2万を割れれば90年代の株価に逆戻りするバリューが続出しても驚かない。
この半導体グロースとバリューの乖離の激しさは間違いなくITバブル時のそれに近づいていると思うのだが、その乖離は埋まるどころか、広がる一方でありここから更に半導体が噴き上げれば…考えたくもない。
12月に入り雰囲気が変わらない限りはもはやお手上げだろう。今日の動きを見て、シクリカル、小型株(個人が多い)、買い残の多い株については少なくとも12月末まで、また指数が一定の目途に下げるまでは買い増しは禁物に見える。日経は明日12か月MAを超えて終われるかが焦点、まあ超えても超えなくても月足のボリバンは収縮してきており27000-30000レンジに持っていかれるのならいずれ27000はトライするとみるのが妥当だろう(最低でも)。その時に個別の位置を見て考えればよいかといった感じか。
食品などディフェンシブ系については私見では再度値上げなどのニュースが出れば好反応になる可能性も少しは残っているのではと思っている。いずれにせよ変異株云々がなくとも中国の問題やスタグフレーションなど景気懸念は尽きないので相対的にディフェンシブが光る場面は来るとは思うが、程度の差こそあれ指数へのお付き合いは免れそうもないのでやはり2割、3割の下落余地を想定しながらの買い増しになるか。まあこれももはや細かい買い増しをしてどうこうなるレベルではなくなってきているので、売りも買いも値幅を大き目に考えておくのが良いように思える。