今年もとうとう大納会を迎え、終了となった。
私の対投下資本比の損益は年初来約17%となった。(税引き後、配当は考慮せず)
まあ米株指数に比べれば笑われるパフォーマンスだが、日経やTOPIXよりはましなのでヨシとするしかない。
いずれにしても、今年も年間を通じキャッシュポジションが非常に大きい状態をキープしたので、総資産比での寄与は数パーセントでしかない。なお総資産は株以外の収益のおかげでなんとか今年の目標には達することが出来た。
今年の反省は、なんと言っても3月権利日というバリュー株最大の売り場を逃したことと、年後半は損をするためにトレードをしていたようなものだったということだ。
前者については、3月権利日でバリュー相場が天井を付けるというあまりに分かりやすすぎるシナリオをそのまま受け入れずにだらだらと持ち越し含み益を減らしてしまったということだ。
それでも、6月頃まではアフコロが強いなどまだ追い風はあったので実際このころのパフォーマンスはまだ良く+25%くらいをキープしていた。
私自身は指数日経自体は年後半もまだ死なないと踏んでおり、そこでバリューが再度つれ高すると思っていたわけだが、これが最大の誤算だった。指数がまだ死なないという予想は当たったものの、9月の噴き上げはほとんど保有株に影響ないどころか逆行安するマンダムのような銘柄もあった。それでも、このころはまだメグなどをはじめ含み益があったわけだが11月のバリュー大暴落で一気に含み損が膨れ上がった。指数が再度高値を付ける中でここまでバリューが叩き売られると言うのは、ITバブル期の99年秋を精査していればその可能性に気づくことが出来ていたはずだが読みが甘かった。反応なしまではあってもここまでの逆行安はさすがに考慮していなかった。
かくして、12月に少しリバウンドするも私のPFは10%近い含み損で大納会を迎えた。とりわけ昨日は野村のおかげでメグが暴落し非常に後味の悪い大納会となった(許すまじ)。
まあしかし、含み損を考慮しても冒頭の通り年初来+で終われたことをヨシとするしかない。
ツイッターにずっと前から投稿していた通り、私は今回のバブルは今年の春~来年の春に天井を付けると考えてきたので、必然的に今年はPFを大きくすることはできなかった。事実、大納会時点のPFサイズは総資産比13%ほどである。87%はキャッシュ及び国債となっている。周りがナスやら半導体やらで儲けまくる中、このPFサイズで地味なバリューだけ買って雀の涙ほどの利益しか得られないと言うのはなんとも情けない話だが、私は2018年から実戦開始してまだ修行中の身なので仕方がない。今でちょうど丸3年となった。
それにしても、2018年からブラッククリスマス、19年夏の米中貿易摩擦、コロナショックと3度の調整を経験したが、日本株はともかく米株はどう見ても「調整」の域を出ず私がフルポジにしたいと思えるような大きな下落相場は未だ来たことがない。来年もそれが来ない限りはPFサイズを大きくすることはないだろう。良くも悪くも総資産はそれなりにあるので天井圏と思しき位置で無理に勝負に出るインセンティブは私にはない。それならお休みしていたほうがマシに見える。
天井は来年春までに付けたとしても、大きな下落が即来るかは別問題であり1~2年は月足MAを跨いでのレンジ相場になるのは過去を見てもよくあるパターンだ。2022年暴落を予想する声が多くなっているが、個人的には金利がしっかり上がらないうちは例えグロースから資金が抜けてもバリューが受け止め指数は1~2割の調整しかしない可能性が相応にあると思う。日経でいえば3万~26000程度のレンジで推移する可能性は、つまらないシナリオだけに余計に現実味があるように思える。
セクターとしては、引き続き食品をはじめとしたディフェンシブバリューで固める戦略を続けたいと思う。バリューへの資金流入があるのならシクリカルや資源株の一段高を想定すべきなのかもしれないが、①既に大型人気シクリカルは月足高値圏 ②指数下落時にシクリカルが逆行高することはかなり難しい ③コモディティ価格も既に相当な高値圏 ④資源高の前提である緩和がすでに終わりつつある ⑤米内需はともかく中国景気は雲行きがかなり怪しい 以上よりやはりシクリカルは(保険程度には持っておくとしても)大きく持つには向かないタイミングに見える。
ただ、食品株は不祥事リスクを回避するため出来るだけ分散すべきなのだが現状では激安レベルの銘柄がまだ限られており否応なしにメグとグリコに集中してしまっている。逆に言えばセクター全体では下げ余地が残っており、そういう意味では保有株の一段安も覚悟している。
最後に、インフレと円安について。
ドル円など今年は100円を割ると誰もが去年言っていたのが足元115円である。そして今は金利が上がる米国のドルはこれからも堅調と誰もが言っている。円建ての資産はどんどん目減りする、と言っている。
そしてインフレ。インフレ対策として株を買え、というような意見もやたら喧伝されている。個人的には純粋にインフレ対策なら変動金利の債券もあるしゴールドもあるのに、と思うのだが、誰も言及しない。要はこれらいずれも米株を「買う理由」を探しているに過ぎないように感じる。
実社会と異なりマイノリティが勝つことの多い相場の世界、私としては引き続き外国株からは距離を置きたい。(別に私は外国株が嫌いというわけではない。もし今が1989年なら間違いなく私は日本株は買わずに米株に投資しているに違いない)