相場はなぜ多数派の逆に行きやすいのか

かなり以前にも書いたかもしれないが、なぜ相場は多数派の逆に行きやすいかということについて少しだけ記しておきたい。

同じ考えの人々は同じポジションを取ろうとするので、例えば買い目線が増えると皆買い方になるしその逆も然りである。

ところで、面白いことに同じポジションの人というのは実は将来の敵である。トレンドが続く目先では味方のようにも見えるが、いずれ自身と同じように利確=反対売買を行うからである。

即ち、多数派と同じポジションをとるということは将来の敵が多いほうにつくという、ある種の自殺行為にも近い側面がある。

繰り返しになるが、目先のトレンドが続いている間は例えば買い方が多数派としてそちらについたとしても同じ買い方が敵になることはないし、さらに言えば新規参入してくる買い方は文字通り味方である。

しかし、永久保有してくれるような日銀や自社株買いならまだしも、普通の参加者は必ずいずれは利確する。

買い増しをしてくれない限りは一旦買った後はホールドか売却しか行わないので自身にとっては敵でしかない。

 

多数派につくということは、将来的な敵の多いほうにつくということであり、その「将来」が来る前に逃げない限りは非常に危ういことが分かる。

加えて、実社会と異なり多数派が相場ではしばしば負けるのは、このポジションの偏りが雪崩を産みやすいということに他ならない。

例えば皆が買い目線で強気の際になんらかのちょっとした弱気ネタが出たとする。せっかちな人や心配性な人はそれですぐに売ろうとするかもしれない。皆が買い目線というのは裏を返せば皆が将来的には「売りたい」目線であるということである。山のてっぺんが少し崩れただけで雪崩が起きるのが分かるだろう。

これが逆の場合、ちょっと下げれば元々多くいた売り目線だった人の中でせっかちな人がすぐに買戻しを入れてくれるので雪崩には至らない。

こんな事を書くととにかく逆張りで天邪鬼にトレードすればいいと誤解されがちだが、無論トレンドが強いうちは多数派についてトレンドフォローするのが吉であることは言うまでもない。例えば買い方が多数派だったとして、その多数派が買い増ししているorさらに新規参入者を呼び込んで多数派を増やしている状況であれば、トレンド継続の可能性が高い。

靴磨き云々というのは社会の末端にまで新規参入者の募集がいきわたり、もうこれ以上新規参入者が物理的に呼び込めないということを表している教訓だろう。

端的に言えばトレンドとは少数派が多数派に変わっていくプロセスそのものであり、多数派の増加に限界が来たときこそがトレンド転換ともいえる。

ところで逆張りという言葉はやや誤解を招く表現ではないかと感じている。というのも、例えば下落途中の株を買う人も別に含み損を増やしたくて買っているわけではなく、底打ちを期待して先回りして買っているだけである。逆に順張りとは聞こえは良いが既に上がり始めたものに後からついて行くということであり、どちらも今後の上昇を期待して買っていることには大差はない。

ボックス相場やレンジ相場というのは、文字通り参加者の心理が揺れ動いて振り子のような状況になっているものであり、持続的なトレンドが形成されにくい。トレンドが持続しないということは多数派がしっかり多数派になり切らないということと同義であり、少しでも多数派になりかけるとすぐに逆方向に動いてしまう。

ボックスやレンジでは順張りは往復ビンタになるだけというのはまさにその通りであり、特に多数派につかないように気を付けなければならない相場である。

天井圏のレンジ相場も同様だろう。

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