ここ1か月ほど内需ディフェンシブ系のリバウンドが続いている。私自身、PFのディフェンシブ銘柄はもはや買い増すような位置でもないしかといって売るほどの位置でもないのでひたすら放置をしている。足元のリバウンドは例えば医薬品やトイレタリーも同様にリバウンドしているためソフトコモディティの下落による業績改善期待で食品株だけが買われているといったようなものではなく、単純にディフェンシブセクター買いのターンになっているというだけに見える。
ディフェンシブが買われる局面とは相場サイクルの終盤あるいは暴落からのリバウンド初期であることが多い。2015~2016年の食品株バブルはリセッションにならない程度の景気懸念によるディフェンシブへのセクター買いと、資源価格低下+各社の値上げ姿勢鮮明化による業績向上、そして何よりそれまでアベノミクスの波に乗れずに出遅れて低迷していた株価水準という3つの要素がすべてうまくかみ合った際に発現したものだろう。
ここから同様の展開になるには、大型食品株のバリュエーションがさほど安くならなかったこと、円安の持続性懸念、そもそも指数がこのまま耐えきれるのかという観点から私自身はやや懐疑的であり深追いする気はない。セクター買いは数か月続く可能性があるがその間に目標ラインに到達すれば売却を予定している。
何よりも、資源価格が低位「安定」に推移(=食品株バブル再来の必要条件だろう)するということが個人的にはあまり想定できない。
ここから資源価格が一段安になるにはリスク資産全体の暴落が必要になろうしその際はディフェンシブも巻き込まれる。
一方リスク資産の暴落なしではここまで大相場を演じた資源価格がいきなりおとなしくなるとは考えにくく大きなリバウンドを繰り返すだろう。
何より足元で進んでいるリセッション懸念からの利下げ期待と言う都合の良いマーケットの解釈は、需要減という資源価格低下圧力とともに再度緩和マネーの流入という巨大な資源価格上昇圧力を想起させ、今後もそれがスイングしていくことが予想される。
票集めの為に政治家は本質的に緩和を志向するので、拙速な再緩和のリスクは非常に大きい。その際は資源価格が再暴騰することが容易に想像されるので、過去の記事でも書いた通り、リスクヘッジとして一定の資源株を持っておくことは有用だろう。
無論今は落ちるナイフ状態であるのと指数の下げが緩いので買うタイミングだとは考えていないが、引き続き想定している中規模調整が来れば非鉄を中心に資源株を買う予定で居る。
円安については、今日は再度137円台の高値更新をしたものの内需系円高メリット株も強く、市場は将来的な円高を想定しているようにも見える一方、もう天井だろうと言われ続けて既に何か月もたっているのも事実だ。
日銀がYCCを終了すれば円高になるという意見も多いが時価評価債務超過により一段安になるという論理も理解できる。
個人的には今後円高になるかどうかは日本の事情ではなくドルが死ぬかどうか、つまりドルインデックスがリセッション+リスク資産の下げにより低下するかどうか次第、に見える。
円安効果により無駄に耐えている日経と異なり米株はあくまでもチャート的には一旦それなりのリバウンドがありそうで、その中でドル安方向に進むのはやや考えにくいのではないだろうか。
となると円高に早々に転じるという意見にはやや賛同しがたく、足元企業決算への反応は甘めとはいえあまりリバった状態で決算に突入するのも気が進まない。
ディフェンシブの中でも比較的為替影響にニュートラルな医薬品の上げが目立つのもこの辺りが関係しているのだろうか。
いずれにせよ各社ともセクター問わずガイダンスは甘く感じるので、今後の逆業績相場には十分注意したい。
個人的な当面の戦略は、ディフェンシブをセクターローテの買いが続く限り引っ張り、指数調整時に資源株を買い入れるという方向で行きたいと思う。