こういった記事が日経新聞にも出てくることは良いことである。
流石に売り方も白旗を上げているようだ。
私は移動平均とボリバン、トレンドラインくらいしか見ないのであまり半値戻しとか3分の1戻しとかを意識したことはないが、最近よく流れてくるのが半値戻しは全戻し、とか、2割上げたらブル相場、とかいったアノマリー?である。
ITバブルの2000年、ナスは5月安値から7月高値まで半値戻しを達成しているがその後どうなったか。
しかも月足MAの上という一見上昇トレンド継続の中で、である。
それともナスとSp500は違うのか。よくわからないが…。
そういえばコロナショック時の下落率が何千年か何万年かに1度のレベルだとか、あの下落率で2番底を迎えなかったことはほぼ無い、などという言説も見事に外れていた。
そういうものなのだろう。
そもそも仮に米株がWトップを付けに行ったとして、既に最高値まで1割もない日経にどれほどの上値余地があるのか疑問だ。
さて、昨日の米株も相変わらずディフェンシブは劣後しており、週明け日経は29000を目指したとしてもディフェンシブは沈黙だろう。監視株や保有株が日経2万割れの時よりも下がっている様子は、ITバブル期のセクター間の資金の取り合いを想起させる。
資源安による業績改善を織り込んでいるという雰囲気は未だ乏しい。自身もそうだが、このインフレはデフレしか知らない市場参加者に過小評価されていると感じている。指数が耐えれば耐えるほど資源価格も耐える。当面はセクターローテの資金流入を主に考え、業績改善まで見込んだ噴き上げは控えめに見ておくべきかと感じている。
扱いが難しいのがシクリカルバリューだ。最近の決算でいうとセメントやインキなどは決算のわりに甘く許されていると感じた。確かに10年チャートで安値圏であるが最安レベルではない。この耐え方は指数のおかげなのか、多分そうだろうとは思い現時点では買わないながらも、ITバブル崩壊時のシクリカルバリュー逆行高については頭の片隅に置いておくべきかもしれない。既にバリュエーションでは最安レベルもちらほらある。
あまりにリーマン前を皆が意識しすぎて、単純なITバブル期のセクター間資金奪取競争を忘れていた部分があるかもしれない。
いわば大緩和時代は10年以上バリューが負け続けてきた相場であったのだから。