米国では想像のはるか上を行くような相場操縦的な個別銘柄の買い煽り、一斉の買い仕掛けなどが常套化しているという。まあ株中毒のかの国ならではだなと思っていたが、ではこの国の状況がまともかと言われれば全然そうも思わない。
SNSなどでは本を出版しているような著名なインフルエンサーですら普通に個別銘柄を口に出しPFを公開したりしている。最近では石炭銘柄などはほとんどあのインフルエンサーの公開仕手株状態である。こういった状況について、個人的には甚だおかしいと感じるしこういうことをする人とは距離を置きたいと思っている。
大量保有報告を出すレベルの石炭の方はさておき、多くの匿名インフルエンサーの買い煽り銘柄やPFなどそもそも本当の保有しているのかどうかすらわからないのによくイナゴをするなぁと感心しながら呆れてしまう。
煽るほうも煽るほうなら、乗っかるほうも乗っかるほうである。
そもそも取引画面などいくらでも捏造できるのに、他人のPFなどよく信じる気になるなぁと思ってしまう。多分投資詐欺に一番に引っかかるのはこういう方々なのだろう。総資産額なども同様だ。10億もっている人がつまらない自己顕示欲の為に本当にSNSなどチマチマやっているのか?
また不思議なのは、例えば億単位で相続した後ヨコヨコをキープしているだけの人と元手10万から1000万まで増やした人とどちらが投資成績的に優れているのかは言わずもがなであるはずなのだが、なぜか総資産額が大きければそれだけで凄いとイナゴが寄ってくる現象である。そしてその資産額自体大抵はバーチャルであっておかしくない。
私は総資産額も個別の保有数も一切書かないが、そもそも書いたところでそんな信憑性のない数字に何の意味もないと思っているからだ。むしろこんな時代に自分の総資産額をネット上でひけらかすほどリスク管理が甘い人が本当に投資で大成しているのか、甚だ不思議だ(大緩和時代ならではか)。また、そんな数字を鵜呑みにするような人はなおさら、相場で大成するとは到底思えない。
個別銘柄名を一切書かないと指数やマクロについてしか話すことがなくなるという側面は理解できるが、少なくとも本を出すような人たちが平気で個別銘柄、しかもメガバンク株やトヨタなど超大型株ならいざ知らず、指数にも採用されていないような時価総額の個別銘柄を平気でSNS等で買い煽るのはどうかしていると思う。
無論、個人勢のこうした行為同様、公開相場操縦のごとき証券会社のレーティングも同様に糾弾されるべきだろう。企業分析を公開することに何ら問題はないが、なぜそこに目標株価を添えることが必要なのか、全く持って理解に苦しむ。そして大抵は結果論ながら嵌めこみ的な価格設定になっているのだからなおさら質が悪い。
こういった個人、機関の無用な煽りが間接的に安易な信用買いなどと相まって虚無なバブルを生んでいるともいえよう。
私のような閑古鳥ブログやSNSでもひっそりとただメモ代わりに書いているような人は別に構わないと思うが、一定程度のフォロワーやチャンネル視聴者を得た人は道徳的に個別銘柄の言及は控えるべきだろうと個人的には考えている。まあ、そんなことをしたら一気にフォロワーや視聴者が減るので、絶対にしないのであろうが。
石炭銘柄の値動きなどを見ていると、本当にこれで良いのかと考えさせられはしないだろうか。