緩和するしか能のない中銀が親の仇より嫌いな私にとって、大嫌いな相場格言に「FEDに逆らうな」というものがある。

中銀緩和信者の万年ブル派にこの格言の信仰者が多い印象だが、まあ大緩和時代はこれがワークしていたのだろう。

ところで、ジャクソンホールまでのリバウンド相場で「FEDに逆らって」いたのは誰だろうか?

売り方から見れば、明らかに、買い方だろう。

なにしろ中間選挙を控えインフレ抑制が最重要課題となっている中、何度も利上げの維持をちらつかせ最後にはあからさまにメンバーに株価下落をHappyと表現させてまでFEDはリスク資産の下落を望んでいると示してきたからだ。

それを無視して勝手に利下げを期待し自爆したのは(今のところ)買い方である。

一方で、疑り深い私はこの解釈に未だ違和感を感じてもいる。

果たしてSP500が3000を割っても(それでも私は十分米株は割高だと思うが)、FEDは同じ態度で居られるだろうか。

利上げや引き締めにしても、将来の緩和余地を作るための一時的な逆回転に過ぎない。そもそもFEDのBSをコロナ前に戻すだけでも現在のQTのペースでは数年かかり、大緩和時代の清算には気の遠くなる年月がかかる、というよりも無理である。

本質的に、中銀は緩和するしか能がない。そんな中銀のタカ転を真顔で信じても早々に馬鹿を見るだけだと思うのだが。

そもそもFEDが云々と言っているうちは逆説的だが中銀が市場を操作できるという緩和脳の万年ブル派と同じロジックを使っている。

本当の売り方や暴落論者なら、市場が中銀の制御外に置かれるところまで想定してほしいところだが、さすがにそこまで言及している人は少ない。

しかしそもそも仮に中銀が自由に市場を操作できるとして、それはもはや自由主義経済なのだろうか。

私には今の日米欧の市場は中国以下に見えてならない。

そういえばコロナショック後の初期、異常なまでの緩和がいずれ逆に作用する、中銀が緩和すればするほど市場がそれを嫌う相場が来るのではとツイッターに書いた覚えがある。

異常な各国政府の債務膨張を未だ市場は無視しているが、一旦これに目を向ければ、緩和は火に油を注ぐだけになり中銀はもはや打つ手がなくなるのではと、ずぶの素人ながらに感じたと記憶している。

中銀絶対信仰の金融・市場界隈からは大笑いされそうな話ではあるが、私はわりと真面目に今でもこのコースはあり得ると思っている。

そしてロックダウンとバラマキは世界史の教科書に必ず載るだろう(笑)。

 

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