まずは上の4つの月足チャートをご覧いただきたい。0254は食料品指数、0258は医薬品指数でありそれぞれ株探からの引用である。

水色で囲ったところは指数に逆行高している時期、ITバブル崩壊後(2000年4月以降の数か月)とリーマン前の7~9月あたりである。

さて、どちらも直近の位置は既に数か月の陽線を重ねて月足高値圏にある。

悲観論を言うならば、既にディフェンシブは相当に買われておりここから買われる余地はない。米株のディフェンシブが同様の位置にあるのと同じで、前回の記事にも書いたがすでに相場の終盤のディフェンシブ祭りはピークを打った可能性がある。

であるなら全部売れ、すぐに暴落だ、というのかというと、実のところこの2つの指数はかなり微妙な指数であり、セクター内の乖離が非常に激しいのも事実である。

まず食品についてはいわゆる飲料系や指数採用の海外比率の高い超大型株、具体的には、キリンやアサヒ、ヤクルト、日清、キッコーマン、伊藤園などのグループと、中小型の内需系即ち私が買っているような乳製品、加工肉、製粉、菓子、小型調味料などのグループは、動きがかなり違うことが例えばリーマン前の動きを見てもわかる。前者はほぼ指数通りの動き、後者は指数連動性が低い傾向にある。

特に足元は超絶な円安でとにかく海外比率が高ければ何でも買われ、そうでないと徹底的に売られる展開となっており、この乖離が狭まる展開を想定するのはそこまで非合理的でもない。

一方の医薬品、こちらも指数としては微妙であり、というのもご存知の通り医薬品株は個別のパテントクリフに大きく影響され、個別要因が非常に大きいからだ。私自身、食品は保有株に限らず殆どの銘柄を監視しているが医薬品は正直有名所をチラホラ見る程度で、例えば同じ医薬品だからと言ってベンチャーバイオの動きを監視してもあまり意味はないと感じている。無論薬価改定などセクター全体への影響のあるトレンドは存在するが、とにかく世界レベルで見れば日本の製薬会社などすべてベンチャーレベルのしょぼい会社であり、1つ2つのブロックバスターのパテントクリフでdead or aliveの状態であるので、個別要素が極めて大きいと考えてよいと思う。

ということでこのセクター指数が高値圏にあるからといってそれ即ちディフェンシブも全部売れ、ということにはならないとは思うものの、相変わらずこういったセクターごとの指数連動による影響も格段に増していると思われる中、既にセクター指数が高値圏にあることは認識しておくべきだろう。

食品は明確に海外系と内需系で二極分化しており為替の反転があれば分かりやすいカタリストが生まれるが、医薬品はディフェンシブ選好のセクターローテーションが終了した際に一定の影響を受ける可能性は高い。

それでも、何度も書いているが以前為替の反転を安易に期待すべき状況ではないと考えるし、為替中立の医薬品を組み入れることは有用と考えている。当面は食品と医薬品、両者の比率は半々を目途にPFを維持していきたい。

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