昨日は権利日だというのにある種仕掛け的な急落で日経はようやく第一目途の26000割れを達成した。とはいえ香港などアジア他国も相応に下げており、逆に言うとこの辺りの指数位置を見ると日経の吊り上げ感を再認識するだけでなんらお買い得感が無いのはある種異常事態だ。

そして昨夜の米株は前日にSP500が遂に6月安値を髭ではあるが割った後、英中銀の「再緩和」で反発した。

もっとも、この反発自体、テクニカル的にだれが見ても反発しやすい6月安値とほぼ同ラインであること、それまでに連日下げ続けてきたという日柄的な側面からも自律反発のネタとして英中銀が取り上げられたように思えてならない。

英国についてはまさに衆愚政治という幼児が自動車を運転するがごとき状況が続いている。先日の記事にも書いたがこの行く末は緩和が毒になる世界であり、既にその兆しは出ていた。その中で今回の再緩和を市場は再度緩和脳で高評価したように「今は」見えているかもしれないが、先述の通り自律反発のネタにされただけの可能性は十分にあり、本質的に今回の「再緩和」が良いことであるとはとても思えない。

株の反発とともに当然のごとくコモディティも反発している。仮にラリーが続けば当然インフレもラリーを再開するだろう。結局のところ、衆愚政治の圧力に屈して緩めるたびにインフレが魔物となって現れ再度引き締めざるを得なくなる、70-80年代コースのミニチュア版を見ているだけとなっている。

さて、ブル派は首の皮一枚(厳密には一度剥がれかけたが)で踏みとどまったSP500の反発を信じ、日経先物の手口を見ても圧倒的に個人は逆張りの買いを入れておりメディアでも悲観派が多いような記事が多いにもかかわらず実態は逆張りのロンガーが多いようである。

逆張り個人はコロナ以降うまく立ち回ってきたが、今回もうまくいくのかは半々といったところか。とりわけリスクに感じるのは日経に関して特に円安吊り上げ感が強く、ここから欧米が本当にラリーをするとなると引き締め中断が必要条件となろうがそれはすなわち円高を意味するということである。ここまで独り勝ちの様相を呈してきた日経が、一人負けするのは全然不思議ではない。

騙されたのは買い方か売り方か、早々に結果は分かるだろう。

 

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