
日経は権利日同様に仕掛け的な下げが入り26000を割れて終了した。このラインは週足、月足のレンジ下限で個人勢の先物買い越しを見てもわかるように逆張り派ならだれもが買いたくなるラインである。
問題は米株が昨日、前日の英国再緩和上げを帳消しにする下げを見せたことだが、前回の記事で書いた「騙された」側が買い方だったのかどうかはまだ今夜を待つ必要があると考えられる。というのも、昨日の下げをまた大陽線で帳消しにされる可能性も十分あるし、こういった正念場では鯨幕相場のような状態になることはよくある。
売り方の勝利には、せめて数日かけないと6月安値に戻れない程度までは下げないといけないだろう。
というわけで、買い方に希望が全くなくなったかというとそうではないというのが現状であると言える。
最低でも今夜米株が続落しない限り、まだ綱引きの中央点はそう大きくどちらに傾いたわけではない。
一方で足元ディフェンシブがかなりよく耐えており、言い換えれば本当に指数がこれから本格的にリバっていくのならディフェンシブは早々に用済みになるはずがかなりシクリカルをOPしているので、依然相応に警戒感は残っていると感じられる。
最近ネット上ではプットオプションや市場参加者のセンチメント、オシレーター系指標を取り上げ、GFC以来の売られすぎ水準であるとの喧伝がしばしばなされている。そのいくらかは大緩和時代の異常な期間だけを切り取っただけの恣意的なものでもあるのだが、まあ大緩和パラダイムの「押し目買いは正義」という感覚で見るのであれば確かに現況は(円安で吊り上がっている日経以外の)多くの国の指数が逆張り派にとっての「好エントリーポイント」であるように見える。
一方で私自身としては一定以上の確率でパラダイムが変わっている可能性を考慮したい。また大きな調整時にはオシレーター系の指標は機能しないどころか全く逆効果となる。結局のところ、このまま指数が耐えるか下に抜けるかは、今年一番の正念場でありさらに言えば大緩和時代の集大成であったコロナバブルが本当に終わるのかどうかということにもつながるだろう。
さて、私のトレードとしては前回のPFのまま権利日を持ち越したが、足元大きめにリバウンドした住友Pを一時的に減らし出遅れ感のあるSantenをやや増やした。またメグとグリコの割合も再度調整している。
この薬品2銘柄、食品2銘柄は短中期的にはほぼ連動しており、両者の乖離が生じた際には枚数調整をしある種のロングアンドショートのような調整を行っている。
そしてマキタであるが、これは今日2700前半をトライするかと思っていたが意外と耐えたので買い増しはしていない。この銘柄はディフェンシブだけでは指数リバ時に劣後しやすいのでそのカバーの為にPFに組み入れている。また、本来円高であれば買いたい欧州株の代わりに買っているという側面もある。指数耐性が弱くシクリカルでもあるうえ、バリュエーションもあまり安くはないので下値余地が大きい。ただディフェンシブオンリーだと長期下落相場特有の指数リバ時に恩恵が少なくなるため、組み入れている。
日経のBPSはいつのまにか24000台となっているが、個人的にこれはあまり信用していない。円安によるBPS嵩上げが相応にあるのは明白で、個人的な中規模調整=日経PBR1水準は23000~22000程度を想定しており、引き続きこれを待つ方針に変わりはない。他銘柄のシクリカルの新規買いはこれを待ってからで十分だろう。