市場は相変わらず買い方と売り方の綱引きが続いており、未だ決着を見いだせていない。

米株は6月安値を割った後、これは騙しだったとリバウンドしたものの再度失速しており、依然騙されたのは買い方か売り方かははっきりしない。

ただ、正直このレベルでの上げ下げは中長期的にはあまり意味がないと思っている。

というのも、相変わらず市場は勝手に利下げを期待してイベント後に撃沈、というパターンが続いているわけだが、これは言い換えれば未だ「緩和が効いている」ということに他ならないからだ。

緩和脳の方々には何を言っているのか理解不能かもしれないが、私自身は本当の大きな調整は「緩和が毒になる」状況でしか起きないと思っている。

先日の英国トリプル安はそのプレのプレのプレみたいなものであろう。

要は利下げを期待して株が上がるというのは未だに緩和を求めている、麻薬中毒者が麻薬を求めているということに他ならない。

では麻薬中毒者が死ぬ時は、麻薬切れで死ぬのか?いや違う。麻薬の過剰摂取で死ぬのである。

即ち緩和が市場に歓迎されなくなる時、それは当然お笑い程度のQTしかできていないのにここからさらに再度緩和をするということが通貨や中銀の信認を揺るがすと認識される状況こそが本番だろう。

そして現況はこのコースにまっしぐらなように見える。今日の日経新聞には超速利上げの弊害が取り上げられていた。緩和脳の市場参加者は衆愚政治のメカニズムを用いてどんどん再緩和圧力をかける。再度インフレが暴走する。しかも今度のインフレは供給制約などではなく純粋な通貨価値の下落であろう。そして再度引き締めになるのだろうが、このやり取りを繰り返していくうちに市場は緩和(=財政悪化による通貨や中銀の信認低下)を嫌いむしろ引き締め(その逆)を求めるようになると私自身は本気で信じている。

であるから、未だ多くの市場参加者が大緩和時代のパラダイムにのっとって再緩和を求めている現状は、まだまだ平和なのだなと感じてしまうのである。

ごたごた言わずともナスダックの年足を見てみよう。

こんなレベルが歴史的大底と思えるようにむしろ私もなりたいくらいだ。

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